米国で住宅ローン金利の上昇圧力が強まっている。
根強いインフレに対する懸念を背景とした米長期金利の上昇を受け、今月中旬には30年固定型住宅ローン金利が8%にまで急騰。住宅の販売件数や関連消費がさらに鈍り、景気が冷え込む可能性もある。
米住宅ローン専門サイト「モーゲージ・ニューズ・デーリー」の集計によると、今月18日の30年固定型住宅ローン金利の平均値は8.00%と2000年以来23年ぶりの高値水準を付けた。
8月の新築住宅の販売価格(中央値、商務省調べ)は43万ドル(約6400万円)に上り、総額の8割を借り入れで賄った場合の返済額は、日本円で計1億3000万円を超える。家の所有は高根の花となっている。
米連邦準備制度理事会(FRB)が昨年から利上げを進めてきたことに伴うローン金利の上昇は、住宅市場に影を落とし始めた。米不動産業者協会(NAR)が公表した9月の中古住宅販売件数は年換算で396万戸と、約13年ぶりの低水準にとどまった。9月に増加に転じた住宅着工については「金利高で建設業者は自信を失い、短期間で減少傾向に入る」(米エコノミスト)とみられる。