欧州連合(EU)欧州委員会は24日公表の報告書で、2020年代中にロシア産化石燃料への依存から脱却するという目標の達成に向けて順調に進展していると報告した。
今年のロシア産天然ガスの輸入量は400億─450億立方メートルと、ロシアによるウクライナ侵攻前の2021年に記録した1550億立方メートルを大幅に下回る見通しだとした。EUはロシア産石炭と海上輸送されるロシア産原油を禁輸対象に指定している。
報告書はウクライナ危機の「最悪の影響は過ぎたかもしれないが、気を緩めてはならない」と指摘。「エネルギー市場は依然として脆弱」とし、「化石燃料の補助金は危機下で増加し、インフレがなお高く、重要インフラを破壊工作などから守る必要がある」とした。
EU加盟国はロシア以外の供給源からガスの輸入を増やし、ガス利用を低減させてきた。
EU全域でガス貯蔵施設が貯蔵能力の99%に達し、この冬に供給ショックが生じた場合の予備を確保している。